ドクターと甘い恋
無菌室の部屋の中で行われる治療はふつうの病棟で行われるよりも、何倍も辛い。

その辛さをわかるから、受けたくなんかない。


でも、そんなもの陽向先生が許すはずもなく。

銀のトレーにはるくんが、注射を持ってきてしまった。



「嶺菜、頑張ろっか。

腕、出して」



フルフルと首を振って泣いて拒否するものの、優しく陽向先生に腕をつかまれてしまい、私は身動きが取れない状態になった。



「大翔固定頼む」


「はい。嶺菜ごめんね〜」


ガッチリと、はるくんに抑えられてわたしは動かせない。


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