ドクターと甘い恋
ここ最近寝不足だから頭も痛い。


「寝れない?」


「……え?」


「ずっと寝てませんって顔してる」


「……っ」



陽向先生に図星をつかれて、言葉に詰まる。

あぁ、なんで陽向先生は分かっちゃうんだろう。



でも誰かに気づいてもらえたのが嬉しかった。

寝れなかった、お母さん達の事故、そして親愛なる姉の自殺。



昔のことを思い出したら怖くて、ひとりになるのが嫌で。

目を瞑ってもすぐに起きてしまった。




「少し寝なきゃ体力持たないから寝よっか。

起きたら祐希のとこ行こーな。祐希には伝えてあるから」


「……うん、ありがと先生」



精神科の祐希先生の治療を受けて今は笑えるようにもなったし感情を表せるようになった。


目を瞑ると横に誰かがいることの安心感で、すぐに夢の世界へと旅立っていったーー。


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