ドクターと甘い恋
嶺菜は暴れようとするが、男ふたりの力には勝てない。


液を入れれば、嶺菜の泣き声はさらに大きくなる。


「いたいっ!グスッ」

「陽向先生、もう終わりにして!やだ!グスッ」



液を入れ終わったところで、注射針を抜けば、嶺菜はグスッグスッと嗚咽を漏らしながら涙をこぼす。



ごめんな。こんな痛いことばっかりして。

でも、治すためだから。




「はい、おしまい。

よく頑張ったな」



これで熱が下がればいいな。

よしよしと頭を撫でてやれば、嶺菜は涙でぐしゃぐしゃ顔のまま少しだけ優しく微笑む。



優しく微笑む彼女をみたら、無性に抱きしめたくなったのは、俺だけの秘密にしておこうーー。


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