ドクターと甘い恋
わたしの咳を聞くと、何かを考えたあと言葉を繋げてナースコールを切ったはるくん。


呼吸する度に頭もスキン、スキンと一定に痛む。



うっ…頭割れそうに痛い。

気持ち悪いけど、さっき吐かされたばかりでもう何も出ない。



嗚咽を我慢するしかないんだろうな…。




ーーガラ。



「嶺菜、辛いな。」


入ってきた陽向先生とはるくんは、なにか銀のトレーに入れている。

ぼやぼやとする目を必死に開けて視界を定めると、それはチューブみたいなもの。



ま、まさか…たん吸引するの?

や、やだ…管痛いんだよね。



でも、苦しくて早くどうにかして欲しくて涙があふれる。


こんなに泣き虫じゃダメなのに…っ。

止まってよ、涙。


< 36 / 140 >

この作品をシェア

pagetop