ドクターと甘い恋
「嶺菜〜がんばるよ」

「やーっ!」




背中が痛いのにも関わらず、暴れる嶺菜を押さえて骨髄検査を終えた頃には、嶺菜の顔はもう涙でぐちゃぐちゃだった。

嗚咽がひどくて、すごい心が痛んだ。




「嶺菜、ごめんな。痛かったな」



一時間してから、嶺菜を起き上がらせて背中をトントンと叩いてやると嶺菜は、さらに涙をこぼす。



嶺菜の涙の1粒1粒が、儚くて脆くて。

ひとりにしたら壊れてしまいそうで。



嶺菜をぎゅーっと抱きしめた。

痛そうに顔を歪める嶺菜。


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