ドクターと甘い恋
「ありがとうございました、祐希先生、陽向先生。

大翔くんも、ありがとう。」



頭を下げる聖夜に、俺達は首をふる。

聖夜がいてくれたからここに来るまで意識を飛ばさずにこれた。

それだけでも、良かったことだ。




「いや、奈緒ちゃんも驚いたろうな、嶺菜ちゃんからの電話で」


「陽向、嶺菜ちゃんは?」



俺の問に大翔と陽向の空気がピリッと張り詰めたものになる。



「手首切ってたよ、何回も。

たぶん、苦しかったんだろうな。色々。
いつになったら、俺たちに言ってくれるのかな。」



悔しそうに拳を握りしめる陽向。



「俺達は、嶺菜の味方なのに悲しいですよね。」



大翔の言葉に、俺は静かに首を振った。

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