ドクターと甘い恋
「くる、しい」


心は苦しかった。


嶺菜は、無事?

そればかりが気になる。



「嶺菜ちゃんなら、大丈夫だよ。

ありがとうね、奈緒ちゃん」


「……え?」



お礼を言われて、戸惑った。

お礼を言われることなんて何も無い。



わたしは、助けられなかった。

嶺菜からのSOS。


あの、苦しさを超えた限界の嶺菜の声の"助けて"あの一言が頭から離れなかった。


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