佐藤さんの憂鬱。
「な、なあ」

あの時よりも少し低めの声で呼ばれる自分の名前は少し違って聞こえた。

「なに…?」
「なんでかよちゃんあそこにいたの?」
「え、っと、それは…」

お前が前に言った理由で私は彼氏と別れたんだよ!とも言えず。

「彼氏と別れたから」

抑揚のない平坦な声で答えた。

「あ、そ、そうなんだ」

続かないならなんで聞いたんだ。

お世話になっている身なのになんでこうも傲慢で愛想がないんだろうと、少し思ってしまった。

「かよちゃんさあ、どうして高校の最後俺を避け続けたの…」

いきなりどストライクの質問で、100%気まずくなる答え方しかできないと思う質問で、なんでその質問をいまするかなあ?!

なんて無表情の顔の中で怒ってみる。
まあ、相手には伝えないけれどね。


「前向きな方向でいこうみたいな事言ってくれたでしょ?その時すごく嬉しかったのに、次の日とかその次の日ぐらいから全く話してくれなくて。すごく寂しくて」
「あなたが言ったんでしょう?」
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