佐藤さんの憂鬱。
そんな私を見て、彼はふはっと笑って言った。

「前向きにってお見合いじゃないんだから!でも、そーゆー優しいところ好きだよ」


少しだけ赤くなった夕日に照らされる彼の頬は少し染まっているように見えて、可愛く見えた。


でも、前日に起きたことを忘れちゃいけなかったんだ。



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照れながら告白してくれた彼と分かれて私は図書室に行き、借りたかった本を2冊借りて、読書室で読んでいた。

すると、志津川くんとその他4人ぐらいの男子が読書室に入ってきた。
私は読書室の1番奥の席に座っていたから見えなかったのだろう。

そこに座っていたことを26になった今でもまだ後悔している。


「いやー、まさかホントに颯希が根暗女を落としにかかるとは思わなかったわ〜」


え??
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