killer
《こちら、第3部隊。住宅街に向かう途中で、生存している住民を見つけた。首に酷い損傷が見られる。今から本部に帰還し、治療を受けてもらう、応答をどうぞ》

《こちらは第18部隊だ。請け負ったDブロックで生存者2人を見つけた。強いショック状態なのか、こちらの声掛けには反応は無い。が、命に別状は無さそうだ。よって、本部へ帰還する》

《こちらは第11部隊の……ーー》




今まで姿の無かった住民たちの、発見と確保の報告がで始めたのだ。


一体、彼らは今までどこに潜んでいたのか?


ジェフやグレグリー、イアンやサコスも驚きながらその報告を耳にしていた。


そして……





➖ ゴーン、ゴーン……➖


街の奥にある、タリック屋敷から昼の12時を知らせる不穏な鐘の音が、街全体に響き渡る。




その音に、ジェフは思わず顔をしかめた。


「っ……、何なんだ、この趣味の悪い音は……」



脳の奥にまで響いてくるような、重低音。


他の隊員も両耳を塞ぎ、低く腰を屈ませていた。


しかし、その場にいたひとりの、住民は違った。


名も知れぬ住民は、俯いていた顔を天に上げて、白目を剥き、ふるふると小さく不気味に身体を震わせていた……。
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