秘密の糸Season1㊤
その二人の後姿が、私と涼汰君と重なって見えた。


私は中学の頃を思い出した…。


「懐かしいな…。」


あの頃は、涼汰君といつも一緒に帰っていた。


だけど一度も、私と目を合わしてくれなくて…


本当に付き合っているのか、分からなかった…。


好きでいてくれていたのか分からなかった…。


それぐらいいつも、不安だった…。


でももう…


今の私には新堂さんがいる。


もう、終わったんだ…。


もう決して会うことはない…。


そして私は、自宅に帰った。
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