秘密の糸Season1㊤
そして、自宅に着いた。


ガチャ


私は、車から降りた。


「送ってくれて有り難うございました。
今日、楽しかったです。
ネックレス大事にしますね。」


「どういたしまして、時間経つの早いな…。もっと一緒にいたいのに…。」

(…新堂さん。)


「あ、ごめんね、困るよね…。」


私は、この時誰かに側にいて欲しかったのかもしれない。


あのキスを忘れたかったのかもしれない。


「あの…今日、両親会食で泊まりなのでいないんです。
良かったらお家、来ませんか?」


気づいたら私は、新堂さんを自分から誘っていた。


「え?いいの…?迷惑にならない?」


新堂さんはキョトンとしていた。


「…大丈夫です。」


自分でもこんな事言ったのは、初めてだった。


だけど今日は、ずっと…


新堂さんと一緒にいたい。


そして私は、新堂さんを自分の部屋に招き入れた。
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