秘密の糸Season1㊤
「三田倉さん!休憩、井上と二人で行って来てー!」


「は、はい!」


(…二人で、か…。)


井上さんはスタスタ歩き、休憩室に入った。


「私も行かないと…」


私は、近くのコンビニで弁当を買って休憩室に入った。


その時、井上さんは先に食べていた。


「…お疲れ様です。」


「…お疲れ。」


そう言って井上さんは、弁当に戻った。


パキ


「………」


部屋の中は、箸を割る音しか聞こえていなかった。


(…怖いよー!)


室内がとても静かだった。


「あ、あの…」


私は勇気を出して、自分から話しかけた。


「何?」


(うっ…やっぱ怖い…。)


「お、おいくつですか?」


「20」


「へ、へえー。そ、そうなんですね」


「………」


会話が終了してしまった。


その時


ガタ


井上さんが椅子から立ち上がり、休憩室を出た。


「び、びっくりした…。」


そして、しばらくして休憩が終わり私は仕事に戻った。
< 159 / 642 >

この作品をシェア

pagetop