秘密の糸Season1㊤
しばらくして、秀兄ちゃんが来た。


「円花、お待たせ!」


「ううん!」


「よし!じゃあ、行くか!」


「うん!」


そして私達は、エスカレーターに乗り、三階のメンズ階に向かった。


エスカレーターを上がると、人がいっぱいいた。


「わ!」


「ほら、円花危ないから。」


そう言って秀兄ちゃんが、身体を抱き寄せた。


私は、顔が赤くなった。


「ふー…危なかったな。円花大丈夫か?ん?どうした?」


その時、秀兄ちゃんが私の顔を除きこんだ。


「あっ…ごめん!」


そして顔が赤くなる私を見て、秀兄ちゃんが身体を離した。


…秀兄ちゃんは昔から、私を助けてくれていた。


私にとって、いつも頼りになるお兄ちゃんだった。


「秀兄ちゃんいつもありがとう!」


「どうした?」


「私、いつも助けられていたよねー!
秀兄ちゃんが本当のお兄ちゃんなら良かったのにー!」


「…」


その時、秀兄ちゃんの顔が曇った。
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