秘密の糸Season1㊤
「違った?」


「例え本当のお兄ちゃんじゃなくても、
昔三人で一緒に過ごしたあの時間は、
私にとって、
本当の兄妹になれた気がした時間だし、大事な時間なの。
だから、兄妹じゃなくたって関係ない。
ずっと一緒にいた時間が全部、私の大事な思い出だから。
だから…
ずっと今まで一緒にいてくれた秀兄ちゃんと晋ちゃんは私にとって、
大事な人で、大好きな人なの。
だから私は二人とも大好き!」


その言葉を聞いて、俺は涙が出そうになった。


「…秀兄ちゃん?」 


初めて聞いた、円花の気持ち…。


俺も、三人で過ごしたあの時間がとても楽しかったし、大事な時間だった。


本当の妹が出来たみたいだった。


例えそれが短い時間でも…


円花の言うとおり、三人で一緒に過ごした時間が全部
俺にとっても、三人にとっても


大事な時間で大事な思い出だ。


円花は、そんな大事な事を俺に教えてくれた。
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