秘密の糸Season1㊤
「行ってきます!」


気がついたらあたしは、走り出していた。


「はあ…はあ…」


こんなに走ったのは、初めてだ。


(新堂さん…。新堂さん…。)


あたしは新堂さんの名前を、何度も頭の中で呼び続けた。


「いた!」


その時新堂さんは、草むらでポン太とじゃれていた。
 

(私服…。かっこいい…。初めて会った、スーツの時と全然違う…。)


「新堂さん!」


「あ、村田さんこんにちは。
どうしたの?モカちゃんに走らされた?」


そう言って、新堂さんが笑った。


「あ…」


気がついたらあたしは、汗をかいていた。


「はい」


その時新堂さんが、ハンカチを渡してくれた。


「ありがとうございます…。」


今までの男なら、


うまく計算出来て、かわいいあたしを演じれていた。


でも、新堂さんの前だとうまくその計算が出来ない…。


「モカちゃん初めて見たな、かわいいな。」


そう言って新堂さんは、モカを撫でた。


あたしは、ドキドキしてしまった。


その時
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