秘密の糸Season1㊤
外を出ると、もう夜になっていて暗かった。


私の、今の気持ちのように…。


とにかく走った。


走らないと、


どうにかなってしまいそうで…。


私は、新堂さんに電話をした。


プルル


『美菜…どうかした?』


『あ、あの!…。私…。』


(どうしよ…)


何て話せば良いか、分からなかった…。


『あの…。相談したい事があって…。』


『うん。分かった。
後でまた、電話するね。』
 

『はい…。』


プッ


そして、電話を切った。


その時、


地面に石があることに気づかず、躓いてしまった。


「きゃ!」


コケた瞬間、新堂さんから貰ったネックレスがちぎれた。

 
「どうしよう…。」


私は、ネックレスを持ったまましばらく草むらに座り込んだ。


それから、新堂さんからの連絡を待っていた。


…だけど、どんなに待っていても来なかった。 


だんだんと不安になり、私は涙をポロポロ溢した。


「誰か…。助けて…。」


お見合いなんてしたくない…。 


新堂さんと離れたくない…。


その時、自転車のライトが光った。
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