秘密の糸Season1㊤
「私、20歳の日にお見合いをするの…。」


「は?それって来月じゃん!何でまた…。」


「お父様が決めた事だから…。」


「何だよそれ、おかしいだろ。」


「私…罰が当たったのかな…?
り…香川さんとも、新堂さんとも、付き合ってた事ずっと両親に内緒にしていたから…。」


「それは違うだろ、誰と付き合おうが自由だろ?
親なんて関係ないだろ?」


「香川君…。」


私は、言われたその言葉が、胸に刺さった。


「嫌なら嫌ってちゃんと親に言え。

自分の人生は、自分だけの物なんだから。

そこまで親の言いなりになる必要なんてない。

自分の気持ち、ちゃんと伝えろ。

それでも親が許してくれないなら、

彼氏に言って貰って、認めさせろ。

それでまたダメだとしても、

俺が彼氏のフリをして、

いくらでも親に言ってやる。

少なくとも俺は美…新川さんの味方だ。」


涼汰君が言ってくれたその言葉に、私はまた涙を流した。


「むちゃくちゃだよ…香川君…。…ありがとう…。」


「泣くなって。」


涼汰君は私を抱き寄せ、頭をポンポンした。
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