秘密の糸Season1㊤
「頑張れ、応援してるから。」


「ありがとう…。」


そして、身体が離れた。


その時香川君が、私が手に握っていたネックレスに気づいた。


「それ、大事な物だろ?」


「うん、だけどチェーンがちぎれちゃって…
。」


「俺が直してやるよ」


そう言って香川君が、チェーンを直してくれた。


「よし…出来たぞ。」


ちぎれたチェーンが綺麗に戻った。


「ありがとう!何から何まで、本当にありがとう!」


「大袈裟だなー。ほら、つけてやるよ。」



「え?」


「前、向いて」


そして私は、前を向いた。


香川君が後ろから、ネックレスをつけた。


耳元にかかる吐息が、ドキドキして熱かった。


シャラン


そしてリングが、前に来た。


「ほら、出来たぞ。
もう絶対壊すなよ、彼氏さん泣くぞ。」


「ありがとう、気をつけるね…。」


私はリングを、ギュッと握りしめた。


「じゃあ俺帰るわ。早く帰れよ、危ねーから。」


「うん…。ありがとう…。」


「頑張れよ。」


「うん…。」


そして香川君は、帰って行った。


(香川君、本当にありがとう…)


「…よし!」


私は、両親に自分の気持ちを伝えると決めた。


そして私は、自宅に帰った。
< 337 / 642 >

この作品をシェア

pagetop