秘密の糸Season1㊤
靴を脱ぎ、奥の部屋に向かった。


「美菜!どこ行ってたの!!」


私はリングを、ギュッと握りしめた。


言わなきゃ…全部…。


勇気を振り絞って…。


「心配かけて申し訳ございません!
お父様、お母様、お話があります。」


「話…だと?」


「美菜?」


ゴク



唾を飲み、私はゆっくりと話をした。


「…私は今、お付き合いさせて頂いている方がいます。」


私がそう言った瞬間、


「何…だと」


お父様が眉を上げ、険しい顔になった。


(怖い…。だけど言わないと…。)


「私は、その方としか一緒になりません。」


「お前、自分が何言っているのか分かってるのか!
別れなさい!今すぐ連絡しろ!」


「嫌です!私は彼を愛しています!
彼と一緒にいたいんです!」


お父様に反抗したのは、今日が初めてだった。


今までは全部、お父様に従ってきた。


その時


「お前は、この私に恥をかかせたいのか!」


パチン


頬を叩かれた。


叩かれた頬が痛かった。


初めて痛みを感じた。


涙がポタポタ溢れた。


「貴方!」


「お前が連絡しないなら、私が連絡する!スマホを貸せ!」


「…分かりました…。連絡致します…。」 


そしたて私は、新堂さんに電話を掛けようとした。


その時

♪♪♬


私の、スマホが鳴った。


画面を見ると、新堂さんからだった。
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