秘密の糸Season1㊤
「三田倉さんと何かあったんでしょ?」


「……」


梨絵は、俺に対していつだってするどかった。


「ウジウジ悩んでるなんて雪都らしくない!」


「梨絵…。」 


「あんたはウジウジ悩むタイプじゃないでしょ!」


「……」


「悪いと思ってんなら、謝れば良いでしょ!あんたは自分が悪いと思ったら、謝るタイプでしょうが!
ウジウジしてるくらいなら、自分の気持ちちゃんと伝えな!」


「…けど」


「けど何?」


「謝って、…許して貰えるのか?」


「そんなの、やってみないと分かんないでしょ!」


「むちゃくちゃだな…。」


「悪いことしたら、まずは、謝るでしょ!」


梨絵に言われ、俺はやっと気がついた。


「…そうだよな、サンキュー…。
スッキリしたわ。」


「そ?そう?良かった!
だってあたし、雪都のこと…。」


「俺達、やっぱり幼なじみだな。」


「…そうね。」


「俺のこと、1番分かってるのはやっぱお前だな。」 


「はいはい…。」


「じゃあ俺、戻るわ。」


梨絵に背中を押され、俺は三田倉に謝りに行くことを決めた。
< 347 / 642 >

この作品をシェア

pagetop