秘密の糸Season1㊤
【梨絵side】

いつだって、雪都を見ていた…。


いつだって、一緒に過ごしてた…。


だから雪都の様子がいつもと違うだけで、


あたしは、雪都に何があったのかはすぐ分かる。


昔、雪都の1番側にいたのはあたしだったから…。


だけど…。側にいてもそれ以上の関係にはなれない…。


なりたくても…。叶わない…。


雪都にとってあたしは、ただの幼なじみでお姉ちゃん的存在…。


ずっと側にいてたからって、


彼女じゃなきゃ、側にいたって意味がない。


雪都に早く、気持ちを伝えたい…。
 

幼なじみじゃなくて、彼女になりたい。


伝えたいのに…。


だけど…。


昔から一緒にいた《幼なじみ》という関係が壊れてしまいそうで…。


それが、ずっと怖くて…。


あたしは、言えずにいた…。


「あたしも…人のこと言えないよね…。」
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