秘密の糸Season1㊤
リビングには、井上さんが立っていた。


(うっ…。気まずい…。)


「…お邪魔してます。」


「…どうぞ。」


私は思わず目を逸してしまった。


「…そこ、座ってて下さい…。」


「…ありがとう。」


そして私は、井上さんをソファに座らしお茶を淹れた。


コポポポ


(二人きり…。どうしよう…。)


私は井上さんの前にお茶を置いた。


コト…


「どうぞ…。」


「…ありがとう。」


そして井上さんは、お茶を飲んだ。


「…何の用ですか?」


その瞬間


「ごめん!」


井上さんがソファから降り、頭を下げてきた。


「え?」


「本当は、病室で寝ていた時三田倉が側にいてくれて嬉しかったんだ!
ずっと、側にいてくれたのにあんな態度をとって本当にごめん!」


「い、いえ」


「あんな態度をとったあげく、あんな事するなんて、俺…どうかしてた。」


「欲情…じゃ、ないんですよね?」


「違う!俺はわざと嫌われようとしてあんな事した…。」


「…どうしてそんな事…。」


「それは…。」
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