秘密の糸Season1㊤
一瞬間があいた


「…三田倉が好きだから。」


「え!?」


(井上さんが私を!?)


「三田倉を家に送り届けた後…
俺、三田倉の彼氏に会ったんだ…。」


(晋ちゃんが言っていた事と同じだ…!)


「…彼氏から聞きました…。」


「そっか…。その時少しだけ話をしたんだ。」



私は、黙ってずっと井上さんの話を聞いていた。


「…その時、三田倉の彼氏に言われた。


《円花は俺の物だから》って


その時は別に何とも思ってなかった。


だけど、後から家に帰って一人になった時


三田倉の彼氏に嫉妬してイライラしてた…。


三田倉が、彼氏の話をして嬉しそうにしていたあの顔が忘れられなかった…。


そして、気づいた


三田倉をいつのまにか好きになっていた事に…。


でもムリだと分かってるから、俺の気持ちは一生言わないつもりだった…。」


そう言って、井上さんが私の目をまっすぐ見た。


「…井上さん…。」


「…これ以上三田倉と一緒にいたら、俺はどんどん気持ちが抑えられなくなる…。
そう思ったから、嫌われるよう仕向けてあんな事したんだ…」


「…そうだったんですね…。話してくれてありがとうございます」


「たくさん困らせて本当ごめん…。」


「いえ…。」


井上さんの気持ちを聞いて、私は少し気が楽になった。


「後、告白したけど。」
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