秘密の糸Season1㊤
第31話矢印
【雪都side】

自宅に着いた後、俺は梨絵に電話をした。


「梨絵には助けて貰ったからな。」



最後に連絡をしたのは俺が中1の頃、


その後はお互い、相手がいたから連絡をすることはほぼなくなっていた。


だけど、それぐらいの関係で俺はちょうど良かった。


プルルル



『雪都?どうしたの?』



『よう』


『何?気持ち悪いんだけど』


『お前、俺がせっかく電話してんのに気持ち悪いって何だよ』


『だって、珍しいからよ。で、何?』



『や…その』


久々に電話したせいか、うまく話せない…。


『何?用ないなら切るよ。』



『…ありがとな。』



『え?』


『お前に言われてなかったら、俺ずっと一人でウジウジ悩んでて行動出来なかった』


『ああ、その事?わざわざ電話で?』


『何だよ、わりぃーかよ。
たまにはお前にも感謝しなきゃーなって思ったんだよ。』


『…その様子だと、うまくいったんだ。』



『ああ』


『良かったじゃん、じゃーね。』


『ああ』


ツーツー


そう言って電話が切れた。


「相変わらず、冷たいし愛想ねえ…。けど…ありがとな…。」
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