秘密の糸Season1㊤
【晋一side】

あれ以来俺は、円花と喧嘩をしたまま過ごしていた。


何度も、何度も、スマホをチェックした。


けど、円花からの連絡はなかった。


連絡しようと、何度も思った。


だけど…行動出来ないままだった。


「はあ…。」


怒るよな…そりゃ…。


あんな最低な事したんだもんな…。


喧嘩をしたあの後、俺はすごく後悔した。


円花の話を、きちんと聞けなかった。


井上の事を聞いて、


嫉妬して


嘘疲れてたことにムカついてた。


円花は、俺の彼女って分かっているのに…


俺は自信が持てず、俺の物だと分かるよう


身体で示そうとした。


…その結果、円花を泣かせた…。


泣いている円花を見たのは、初めてだ。


なのに俺は、


自分の気持ちを押し付けて、


円花の事を考えず、あんな事をしてしまった…。


本当に、最低だった。


愛してやっていた事が全部円花を苦しめていた。


どうしよう…。


このまま自然消滅するのか?


気まずいまま…?


もう、会えないのか…?


嫌だ…。そんなの…。


円花とちゃんと話さないと…。


俺は、円花に電話しようと決めた。


掛けようとしたその時、


♪♪♪


俺のスマホが鳴った。


画面を見ると、円花からだった。


(円花…!)


俺はすぐさま電話に出た。
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