秘密の糸Season1㊤
【晋一side】


『も、もしもし?』


久しぶりに聞いた、円花の声。


緊張していたからか、少し声が震えていた。


相変わらずかわいい声…。


愛しいと改めて思った。


やっぱ円花じゃないとだめだ。


俺は、そう確信した。


『…どうした?』


俺がそう聞いた時、


『あの…!』


円花は何か言いたそうだった。


『…ん?』


俺は黙って聞いていた。


その時、


『…話したい事があるの…会って話したい。』


円花がそう言った。



その瞬間、俺の緊張は一気に走った。




まさか…別れ話か…?



俺は返事にとまどった…。



嫌だ…。



別れたくない…。



もう円花を失いたくない。



明日ちゃんと会って、謝る。



ちゃんと会って、明日俺の気持ちを全部ぶつける。


そう思った俺は



『俺も…円花と話したい事あるんだ、…明日会える?』


円花にそう言った。



『うん』


そして俺は


『じゃあ、昔よく一緒に遊んだ花山公園で13時に待ち合わせしよ。』


花山公園で待ち合わせする事にした。



花山公園は俺と円花が出会った大切な大切な場所。


もう一度1からやり直す為に、


原点に戻る為にこの場所を選んだ。


『分かった。』



『じゃあ、明日。』



『うん』


そして俺は電話を切った。


もう二度と円花にこんな思いさせない。


俺はしっかりと意思を固めた。
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