秘密の糸Season1㊤
そして今、電車が来るのを待っている。


「…いきなりすぎたな…。困るよな…あんなの…」


けど僕は、どうしても送らないといけない気がした…。


何故か…分からないけど…。


村田さんには、ちゃんと伝えたかった。


時計を見ると16時40分になっていた。


プー


『電車が通ります、白線の内側までお待ち下さい』


電車が、すぐ近くまで来ていた。


「よし、乗るか。」


ガラガラガラ


キャリーケースを持って、新幹線に乗ろうとしたその瞬間


「新堂さん!!」


僕を呼ぶ声がした。

< 409 / 642 >

この作品をシェア

pagetop