秘密の糸Season1㊤

振り返ると、息を切らし村田さんが立っていた。


「村田さん！？…どうして…。」


「あの…！はあっ…。…たし…。」


(走って来たのか…。)


僕はその時、走ってここまで来てくれた村田さんの姿に惹き込まれた。


「はあ…っ。はあ…っ。ちゃんと…っ気持ち…伝えたくて…」


「…えっ？」


「はあ…っ。あたし…新堂さんと出会えてから、はあ…っ
はあ…っ本当に…はあ…っ…楽しかった…はあ…です。」


「…うん、僕もだよ。」


僕も本当に楽しかった。


「…はあ。やりとりをするうちに、はあっ…はあっ
だんだんと…あなたの事が気になり始めました…。」


「…え？」


「毎日のやりとりが本当楽しかった…。
メッセージが来る日は、一日中ニヤニヤしてて、
来ない日は、すっごい落ち込んで…。
でもそれが、あたしにとって毎日の幸せでした…！」

村田さんの真っ直ぐな気持ちを聞いて、僕はすごく胸に響いた。