秘密の糸Season1㊤
だけど僕は…美菜との関係が切れたばかりだった…。


「…新堂さん!あたし…新堂さんが好きです!」


「え?」


突然言われた告白に僕は驚いた。


「あなたが好きなんです…!
…こんなに好きになったの、初めてなんです!」


「…村田さん。」


泣きながら、僕の目をまっすぐ見て告白してくれた。


僕はそんな村田さんの目に吸い込まれた。


「…村田さん。」


そして僕は咄嗟に彼女を抱きしめていた。



「…新堂さん!」


彼女はギュッと、僕の服を掴んだ。


「…ありがとう。」


「…彼女がいても構いません!
…せめて好きでいさせて下さい…」


その時、僕の中で何かが切れた。


「京都行き、まもなく発車致します。」


そして僕は彼女を離した。
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