秘密の糸Season1㊤
第40話罪悪感
【美菜side】

涼汰君とホテルを出た後、私は座っていた。


さっきまでの幸せな時間が、


再び現実に戻った。


そして涼汰君は彼女の元へ帰る…。


それでも良いからと、


涼汰君との関係を求めたのは私だ…。


愛してくれるなら…。


抱いてくれるなら…。


身体だけで良い。


身体だけで良いから、繋ぎ止めたい。


私は、その事だけを考えてしまっていた。


新堂さんと出会えて付き合えた2年、


本当に幸せだった。


毎日、夢のような日々だった。


この人だけを愛する。


そう決めていた。


だけどあの夏祭りの花火大会の帰り道で再会した時、


止まっていた【過去の時間】が再び巻き戻された。


そして私は、涼汰君にキスをされた。


あの時の私はもう、【過去の人】と踏ん切りをつけ、


割り切った。


でも公園で再び再会して、


涼汰君の気持ちを全部聞いて、


初めて私は、自分の気持ちに気づいた…。


そしてお見合いが決まって泣いていたあの日、


涼汰君はずっと、側にいてくれた。


そしてアドバイスもくれて、


勇気もくれた。


そして私は、初めてお父様に意見が言えた。


だけど結果的に新堂さんと別れる事になり、私はお見合いをする事になった。


その時、涼汰君がお見合いの場所から、私を連れ去っていてくれた。


あの瞬間から、私の中で涼汰君に対する感情が強くなった。


もう関わらないと決めていたのに、私は破ってしまった。


身体の関係を持ってしまった…。


後から、すごく罪悪感を感じた…。


私の勝手な気持ちで、


相手の彼女にも、涼汰君にも、迷惑をかけてしまった…。


「私…最低だ…。」


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