秘密の糸Season1㊤
【舞由香side】

「涼汰?」

その時、涼汰はあたしを強く抱きしめた。


久しぶりに感じる涼汰の体温。


「…俺も浮気をしたんだ!
それに、そうさせたのは俺が舞由香に寂しい思いをさせてたからだ…。
だから…自分だけ悪いなんて思うなよ…。
俺にだって否がある…
舞由香の彼氏でいる資格も俺にはない。
でも、もう…絶対…お前を一人にしない…!
だから…
別れるなんていうな…!」


「涼汰…」


あたしはその言葉を聞いて、涙が出た。



そして、涼汰の背中に腕を回した。



「あたし…これからも涼汰の彼女でいいの…?」



「…うん」



「ガサツだし…大食いだけど、それでも許してくれる?」



「何だよそれ…。そんなの今更だろ?
分かってて、今まで付き合ってたんだから」



「…ふふ。そうだよね」


その時涼汰が身体を離した。



「…これからは舞由香の側にいるから」



「…あたしも涼汰の側にいる」



「舞由香」



「…涼汰」



久々にあたし達は目を見つめあった…。


(あ…涼汰の目…。) 


涼汰の眼球にあたしはちゃんと映ってる…。



そしてあたし達は誓い合うようにキスをした。
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