秘密の糸Season1㊤
「…さっきだって、晋ちゃんと清羅さんの事聞けた…し」


「…円花」


その涙を見て、俺は胸が痛かった。


「やだ…何で…。…ごめんね」


俺は…ずっと円花が好きだった。


二人が両思いと知った瞬間、


俺の入る隙なんてなかった。


だから一度、諦めた。


だけど再会した時、俺はやっぱ円花を忘れられないことに気づいた。


でも円花が俺を兄貴にしか見てない事を知って、


叶わないと思ったからこそ、


俺は兄貴として円花の側にいることを決めた。


だけど…。


二人を引き離したのも俺だ。


引き離した以上、放っておくなんて出来ない…。


「…俺じゃダメか?」
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