秘密の糸Season1㊤

「秀兄ちゃん？」


その時、円花はキョトンとしていた。


「…晋一の事、本当にごめん」


「…どうして秀兄ちゃんが謝るの…？」


「俺が聞いたせいで、円花と晋一がこんな事になってしまったから…」


「ううん、秀兄ちゃんは悪くないよ」


「でも…！」


「私ちゃんと聞けて嬉しかったよ？そりゃ…ショックだけど…でも隠されていたより嫌だったから…だから気にしないで？ね？」


円花はそう言って、また笑った。


そうやってムリして笑う姿が、今の俺には耐えられなかった。


いっそ…責めて欲しかった。


俺は拳を握った。


「…笑うなよ。」