秘密の糸Season1㊤
歩くたびに、晋ちゃんの事を思い出した。


私の頭の中は、昨日の事ばっかり思い出していた。


未だにまだ信じられない…。


まさか晋ちゃんと清羅さんがそんな関係になっていたなんて…。


信じたくない…。


信じたくないよ…。


しばらくして大学に着いた。


私は重い足取りで、ゼミに向かった。


「はあ…」


ゼミの部屋の中は、まだ誰もいなかった。


私は近くの席に座った。


そして机に顔を伏せた。


その時、涙がジワッと溢れてきた。



こんな所で泣きたくなんかないのに…。


どんどんと涙が溢れる…。


その時、同じゼミの女の子に声を掛けられた。


「三田倉さん!さっき須藤先輩が探してたよ?」


(…晋ちゃん)


「え?」


「すっごい形相で走りながら三田倉さんを探してたよ?多分今もその辺にいると思う」


「あ、ありがとう」


「後目大丈夫?すごく赤いしクマすごいよ?」


(嘘…)


「うん、ありがとう…」


ゼミの子にお礼を言い、そして私はトイレに向かった。
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