秘密の糸Season1㊤
「本当ひどい顔…」


けど…今は会いたくなかった。


会ってどうすればいいの?


怖い…晋ちゃんに会うのが…。


私はメイクを少しだけ直し、トイレから出た。



廊下を歩いていたその時、後ろから声が聞こえた。


「円花!」


振り返ると、晋ちゃんが息を切らし立っていた。


私は早歩きで、先を急いだ。


「円花!ちょっと待って!」


嫌だ…!会いたくない…!


けど晋ちゃんは、後ろから私を追いかけてきた。


「円花!」


そして晋ちゃんに手を引っ張られた。

「痛い!離して!もう晋ちゃんと話したくない!」


「ごめん…本当にごめん!ちゃんと話そう?」


「何?喧嘩?」


「あれって須藤先輩と三田倉さんじゃない?」 


周りからジロジロ見られていた。


「…ここじゃ話せない。テラスに行こ」


晋ちゃんに手を引っ張られ、そして私達はテラスに向かった。
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