秘密の糸Season1㊤
いつもここで一緒に昼食を食べるのが楽しかった。


だけど今はもう…違う。


「…円花…本当にごめん…!本当にごめん…!」


そう言って晋ちゃんが、何度も頭を下げてきた。


「…ひどいよ!何でちゃんと言ってくれなかったの…?約束したよね?これからは秘密もなしでって」


ドンドン


私は晋ちゃんをどんどん叩いた。


「…ごめん」


「晋ちゃんが言ったんだよ?」


ドンドン


こんなに早く裏切られるなんて思ってもいなかったよ…。


「…ごめん」


「何で?何でなの…?」


「…俺の中ではもう終わった事だったから…」


「…それでも私はちゃんと言って欲しかったよ…!」


悔しくて涙が出る。


「…ごめん」


「秀兄ちゃんの事は考えなかったの…?」


「それは…」


その時晋ちゃんは一度間を置いた。


「もちろん後悔した…。俺何やってるんだろうって…」


「…最低だよ。晋ちゃんがやった事は」


「……円花の言うとおりだ…。俺はとんでもないことをした」


「私と清羅さんは全然違うよ…!」


初めて晋ちゃんにキスをされて嬉しかった。


初めて身体を重ねて…


あの痛さが、私の幸せだった…。


それなのに…。


何で今更なの…?


何で清羅さんなの…?


それなら…まだ違う人の方が良かったよ…。
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