秘密の糸Season1㊤
【秀一side】

そして次の日になった。

俺は待ち合わせ場所に着いた。

その時、円花は先に着いていた。

俺は円花の元へ走った。

「お待たせ…円花。」

「…ううん。」

「…行こっか。」

「…うん。」

円花と俺にはまだどこかたどたどしい空気が流れていた。

カランコロン

そして俺達は近くのカフェに向かい、席に座った。

「…あ、カフェオレで」

「私も」

無言で座っているのが、緊張してきた。

でもちゃんと謝らないと…!

そして俺は

「円花…この前は本当にごめん!」

そう言って頭を下げた。


「う、ううん…」


その時、円花はビックリしていた。


そして俺は、自分の気持ちを全部円花にぶつけた。


「…だけど俺、あの日言った事全部本心だった。
好きだった、ずっと円花の事が。」

机の下で俺は拳をギュッと握りしめた。


そして俺は話を続けた。


┌…だからあの日、泣いてる円花を見て自分の気持ちが抑えれなかった。
…キスなんてして本当にごめん…。」


俺は本当にバカだった。


あの場で晋一に本当の事を話して欲しくて、

賭けにまで出て、

結果円花と晋一の仲を壊して、

弱っている円花の辛さに漬け込んで…。


…最低だった。



「秀兄ちゃん…。」


「兄貴として側にいるって決めてたのに、
側にいればいるほどどんどん円花に対しての感情が強くなった。
俺本当に最低だよな…」


自分のやってた事に対して本当に反吐が出る。


【円花を守る。】


そう言って、


円花の前だけではカッコつけて、【良いお兄ちゃん】として

演じてて…。

でも俺は円花を何一つ守れてなかったんだ。



「…秀兄ちゃん。」





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