秘密の糸Season1㊤
「遅いつーの!」


その時、龍司の顔が唖然としていた。


(何?やっぱ変なのか??)



「お前、それ…。」


「何だよ…。」


「…かわいいじゃ…ん。」


そう言って龍司は、顔を赤くした。


「かっ…!?//」


かわいいなんて言われ慣れてないから、ウチは顔が赤くなった。


「いつものお前なら、だいたいジャージとか、
スウェットだから…。
浴衣着てんの初めて見た…。変わるもんだな…。」


龍司がどんどん赤くなるから、ウチまで赤くなる。


「…うるせーよ。」


ウチは龍司を蹴った。


「いてえ、お前…。褒めたのに…。って顔、赤くね?」


「うるせ!見んなバカ!」


ウチはそう言って、顔を反らした。


「…っぷ」


「…何笑ってんだよ。」


「わりぃ、わりぃ、なんつーか…、嬉しいからさ。」


「は?」


「お前とは、ナンパで知り合った訳だし、
付き合うつっても、ヤルだけの関係だったから俺ら。
俺もそれで十分だったし…
って、前までの俺ならそれで良かった。」


(龍司…。)

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