秘密の糸Season1㊤
「ウチも正直、浴衣着るの…ずっとてこずってたんだ…。

けど今回初めてウチのダチに、彼氏が出来たんだ。

んで、今日地元の花火大会に行くらしくて、

初めての浴衣デートだからって、

その彼氏の為に必死に、浴衣を選んでた。

その姿を見て、羨ましいと思った。

彼氏の為に浴衣を選ぶとか、ウチにはありえない事だし、

この浴衣だって元々持ってたけど…。

けど着る前から、

柄じゃないって思って、勝手に諦めてた。

けどなーんか、ダチの姿見てたら、

逆にこっちが何か勇気を貰ったつーか…。」


彼氏の為に浴衣を選んで、


彼氏の為に浴衣を着て、


【かわいい】って言ってもらいたくて、


褒められたくて、皆、必死に頑張る。


あの浴衣の店の中でも、そーゆ奴がたくさんいた。


「盟加」


「だからウチも、一回は…、そうゆうのも…、
悪くねーかもと思って着てみたんだよ。
龍司なら別に…。
…見てせてやっても良いかなーって、思ったんだよ!」


そう言った瞬間、龍司がウチを抱きしめた。


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