秘密の糸Season1㊤
最後に会ったのは、中学3年生の夏。


私は中学2年生の時に、彼に告白されて付き合っていた。


当時は、付き合っているって実感があまりなかった。



だけど、束縛が強くて…


常に私達はいつも一緒にいた。


初めは何とも思っていなかった束縛も、


いつのまにかだんだんと苦しくなってきた…。


…そしてある理由で、最後には私から別れを告げた。


(こんな所で会うなんて…。)


今の涼汰君は、すっかり見た目が変わっていて昔の面影が全くなかった…。


だけど声は…あの頃のままだった…。


「…久しぶりだな。」


「…うん。」


「浴衣似合ってるな。」


「ありがとう…。」


「…」



「…」


そしてお互い無言になってしまった。


「これ…」


そう言って涼汰君は、私に小銭を渡した。


「…拾ってくれてありがとう。じゃあ、行くね。」


「ああ…。」


そして私は、改札を出た。


その時、
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