秘密の糸Season1㊤
だけど涼汰君は、一向に私の目を見なかった。


「離して!」


私は、涼汰君の手を離した。


その時、涼汰君はびっくりしていた。


「もういいから…。ありがとう…。」


私はそう言って、目を逸らした。


「…また絡まれたら、どうすんだよ。」 


「それは…。」


「さっきは俺がいたから、良かったけど…。」


「…大丈夫だよ。」


「俺が…嫌なんだよ…!」


そう言って、また涼汰君が私の手首を掴みどんどん歩い
た。


(こうゆう強引な所、昔から変わってない…。)


そして私達は、そのまま電車に乗ってしまった。
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