秘密の糸Season1㊤
涼汰君が降りてきた。


プシュー…


『ドア閉まります』


ガタンゴトン


そして電車は行ってしまった。


「どうして…?涼汰君、ここじゃないでしょ?」


駅には私達以外、誰もいなかった。


「………」


だけど、私が聞いても涼汰君は何も答えてくれなかった。


その時、涼汰君が口を開いた。


「…送る。」


そう言って涼汰君はスタスタ歩き出した。


「ま、待って!きゃ!」


つまずいてしまいそうになったその時、


涼汰君が、私の手首を引っ張った。
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