秘密の糸Season1㊤
そして、私の身体が涼汰君に寄りかかった。


「ご、ごめ…!」


私がそう言って離れようとした瞬間、


涼汰君が私を抱きしめた。


「…何して!離して…!」


「……」


だけど涼汰君は、私を力強く抱きしめたまま離さなかった。


「…やめて。」


「…嫌なら振りほどけよ。」


いつだって、涼汰君はそうだった。


勝手で、


私の気持ちなんて、全然考えてくれない。


ドン


私は涼汰君を突き飛ばした。
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