午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
泣き叫びながら、ユースリアはとうとう崩れ落ちた。

それでもシリアは、静かに立っているだけ。

「もう嫌! あっちへ行って!!」

ユースリアの悲痛な叫びに、ようやくシリアは部屋から出て行った。

自室へ戻る長い回廊を歩きながら、シリアは先程の出来事を反芻する。

人形姫と呼ばれていることは知っていたが、特に興味を示さなかった。

その態度が、母親を始めとする貴族たちの目には、高慢な態度に映るらしい。

ジュリアがいなくなり、母親のかんしゃくはすべてシリアに向けられていた。

父親は、ただ見ているだけ。

魔界のふざけた文化のせいで、彼は最終的に妻には逆らえないのだ。
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