午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
魔王を目にすることはめったにないが、貴族たちにとって王城の夜会に招待されることは一種のステータスであり、他国からの賓客も多い。
口煩い付添人を欺き、これまで培ってきた社交術で群がってくる紳士淑女をかわせば容易に夜会を抜け出せる。
さらにこの城は魔王自らの計り知れない魔力で守られている所為か、驚くほど見張りの兵士が少ない。
それでいてジュリアを含めた貴族や他国からの賓客たちが不安を抱かないのは、魔王への絶対の信頼があるからだろう。
広間から抜け出してしまえば、事態に気づいた付添人がジュリアを見つけるまでは独りを満喫できる。
満足したら何食わぬ顔で広間に戻ればいいだけだ。
予想通り上手く進んでいる現状にジュリアは口元を緩め、清々しい気持ちで庭園に下りた。
口煩い付添人を欺き、これまで培ってきた社交術で群がってくる紳士淑女をかわせば容易に夜会を抜け出せる。
さらにこの城は魔王自らの計り知れない魔力で守られている所為か、驚くほど見張りの兵士が少ない。
それでいてジュリアを含めた貴族や他国からの賓客たちが不安を抱かないのは、魔王への絶対の信頼があるからだろう。
広間から抜け出してしまえば、事態に気づいた付添人がジュリアを見つけるまでは独りを満喫できる。
満足したら何食わぬ顔で広間に戻ればいいだけだ。
予想通り上手く進んでいる現状にジュリアは口元を緩め、清々しい気持ちで庭園に下りた。