午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
視線の先にあるのは見覚えのない景色だ。
どうやら考えに耽っているうちに、変な場所に迷い込んでしまったらしい。
「やだ……困ったわね」
兵士の少なさがあだとなり、場所を聞こうにも聞ける者がいないのだ。
このまま戻らなければ、騒ぎになることは目に見えている。
ジュリアはひどい頭痛を感じた。
激怒する母親や、それに怯える父親、無表情な可愛い妹の姿が次から次へと頭の中に思い浮かび――開き直った。
「迷ってしまったのだから考えるだけ無駄よね。
そのうち誰かに会うでしょう」
自らに言い聞かせるようにそう呟くと、ゆっくりと歩きだす。
奥は魔王の力がより強く満ちているのか、少しだけ肌寒さを感じる。
どうやら考えに耽っているうちに、変な場所に迷い込んでしまったらしい。
「やだ……困ったわね」
兵士の少なさがあだとなり、場所を聞こうにも聞ける者がいないのだ。
このまま戻らなければ、騒ぎになることは目に見えている。
ジュリアはひどい頭痛を感じた。
激怒する母親や、それに怯える父親、無表情な可愛い妹の姿が次から次へと頭の中に思い浮かび――開き直った。
「迷ってしまったのだから考えるだけ無駄よね。
そのうち誰かに会うでしょう」
自らに言い聞かせるようにそう呟くと、ゆっくりと歩きだす。
奥は魔王の力がより強く満ちているのか、少しだけ肌寒さを感じる。