午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
なにか面倒なものを見つけてしまっても困るので、扉をむやみやたらに開くこともせず、ただひたすらに歩いていると、視線の先に開け放たれている扉を見つけた。

かなり強い魔力が渦巻いているようで、少しだけ息苦しさを感じる。

歩を進めるほどに小さく見えていた扉が次第に大きくなり、ようやくそこまでたどり着いたとき、そのあまりの大きさにジュリアは息を呑んだ。

唖然として遥か先まで続いている扉を見つめる。

その途方もない大きさに眩暈を感じ、ジュリアは部屋の中に視線を移した。

そしてまた、息を呑む。

「これ、は……」

まるで水の世界――とでも言えばいいのだろうか。

幻想的な美しさを言い表すこともできず、ジュリアは呆然と目の前の光景を見つめた。
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