午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
そしてまた、その愛が蘇ろうとしている。
相手は天族であった十六夜姫の魂を継ぐ――人間の少女。
――陛下が人間の小娘との愛に溺れてしまう……?
まさか、とカザリナは首を振ろうとしたが、クロスリードの状態が魔王の危機を物語っていた。
カザリナたち魔族の王であり、すべてを捧げるべき王に迫る忌まわしき女。
暗い感情がカザリナを塗り潰す。
――私たちの陛下なのに。
あの方は、私たち魔族のすべてなのに。
なぜ初代王妃に……なぜ人間の小娘に奪われなければならないの!
激高しそうになって、カザリナは深く息をついた。
落ち着かなければ、と首を振る。
常とは違う状態のクロスリードの言葉を、鵜呑みにするわけにもいかないだろう。
まずはメイジーに陛下の状態と人間の女を確認させようと、カザリナは頭の中で段取りを整えた。
相手は天族であった十六夜姫の魂を継ぐ――人間の少女。
――陛下が人間の小娘との愛に溺れてしまう……?
まさか、とカザリナは首を振ろうとしたが、クロスリードの状態が魔王の危機を物語っていた。
カザリナたち魔族の王であり、すべてを捧げるべき王に迫る忌まわしき女。
暗い感情がカザリナを塗り潰す。
――私たちの陛下なのに。
あの方は、私たち魔族のすべてなのに。
なぜ初代王妃に……なぜ人間の小娘に奪われなければならないの!
激高しそうになって、カザリナは深く息をついた。
落ち着かなければ、と首を振る。
常とは違う状態のクロスリードの言葉を、鵜呑みにするわけにもいかないだろう。
まずはメイジーに陛下の状態と人間の女を確認させようと、カザリナは頭の中で段取りを整えた。