午前0時、夜空の下で。 ―Short Story―
クロスリードに選んでもらった真紅のドレスで臨んだ夜会。
彼女は陛下の褥で見事に乱れる様を装い、あの人間の女を騙したのだ。
今頃は下級魔族によって食い散らかされているだろう――と、思っていたのに。
「そんな……どうして」
思わず、言葉が零れ落ちた。
だがこんなことをしている場合ではないと、カザリナは立ち上がる。
「申し訳ありません!!」
ひたすらに謝るメイジーを宥め、カザリナはすぐにアクセス家の所有する別荘へと居を移した。
カザリナの行動が王に伝われば、疑いが向くのは必至だろう。
どういったお咎めを受けるのかはわからないが、家族に迷惑はかけられない。
ある日突然軍が乗り込んでくるのか、陛下の令状によって王城に向かうのか。
彼女は陛下の褥で見事に乱れる様を装い、あの人間の女を騙したのだ。
今頃は下級魔族によって食い散らかされているだろう――と、思っていたのに。
「そんな……どうして」
思わず、言葉が零れ落ちた。
だがこんなことをしている場合ではないと、カザリナは立ち上がる。
「申し訳ありません!!」
ひたすらに謝るメイジーを宥め、カザリナはすぐにアクセス家の所有する別荘へと居を移した。
カザリナの行動が王に伝われば、疑いが向くのは必至だろう。
どういったお咎めを受けるのかはわからないが、家族に迷惑はかけられない。
ある日突然軍が乗り込んでくるのか、陛下の令状によって王城に向かうのか。